相続した実家を売るとき、「仲介なら高く売れるのか」「買取なら安くなる代わりに早いのか」と迷う方は少なくありません。結論は、価格を優先するなら仲介、期間と手間を減らしたいなら買取が基本です。ただし、最終判断では売却価格だけでなく、片付け・修繕・保有費用を差し引いた手残りを比べます。
仲介と買取の違いを先に比較
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 主に個人 | 不動産会社 |
| 売却価格 | 市場価格に近い価格を狙いやすい | 仲介より低くなる傾向 |
| 期間 | 数か月以上かかる場合がある | 条件合意後、短期間で進みやすい |
| 内覧 | 複数回必要になることがある | 原則少ない |
| 片付け・修繕 | 必要になる場合がある | 現況対応できる会社がある |
| 仲介手数料 | 原則必要 | 直接買取なら原則不要 |
| 向いている人 | 時間をかけて高値を目指したい | 早く確実に手間を減らしたい |
仲介が向いているケース
- 売却を急いでいない
- 立地や建物の状態がよく、個人需要を期待できる
- 内覧や片付けに対応できる
- 少しでも高い売却価格を目指したい
仲介では不動産会社が広告を出し、購入希望者を探します。希望に近い価格を狙いやすい一方、いつ売れるかは確定しません。遠方の実家では、交通費、固定資産税、火災保険、草刈りや換気などの維持費も期間に応じて増えます。
買取が向いているケース
- 相続人間で期限を決めて早く整理したい
- 古家、残置物、雨漏りなどがあり一般売却が難しい
- 遠方で内覧対応や管理が負担
- 価格より確実性と手間の少なさを優先したい
買取は不動産会社が直接買主になります。広告や一般の内覧を省きやすく、現況のまま相談できる場合があります。ただし、買取後の再販売費用やリスクを見込むため、仲介の想定価格より低くなる傾向があります。
査定額ではなく手残りで比べる
たとえば、仲介の想定価格が1,300万円、買取価格が1,100万円でも、仲介に片付け100万円、修繕50万円、仲介手数料などが必要なら差は縮まります。売却まで長引けば維持費も増えます。
- 仲介の手残り=売却価格-仲介手数料-片付け・修繕費-保有費-その他費用
- 買取の手残り=買取価格-必要費用
仲介と買取は同じ会社の1つの査定だけで決めず、仲介査定と買取査定を分けて複数社へ確認してください。高い査定額でも、根拠や販売期間が曖昧なら、その金額で売れる保証はありません。
比較前に揃える6つの数字
- 仲介での査定価格と想定成約価格
- 買取価格
- 仲介手数料
- 片付け・遺品整理・解体・修繕費
- 売却までの固定資産税・保険・管理費
- 税金を含めた最終的な手残り
契約前の注意点
- 仲介は査定額だけでなく、販売根拠・販売期間・値下げ方針を確認する
- 買取は残置物、契約不適合責任、測量、解体の負担範囲を確認する
- 「買取保証」は条件と期限を確認する
- 相続人全員で価格の最低ラインと期限を決める
関連記事
よくある質問
仲介と買取の査定を同時に頼めますか?
対応する会社であれば可能です。ただし仲介査定は想定価格、買取査定は会社が提示する購入価格なので、同じ数字として比べないようにしてください。
古い実家でも仲介で売れますか?
立地や土地需要によっては売れる可能性があります。先に解体せず、古家付き土地・現況売却・買取の条件を比較することが重要です。
買取なら残置物を片付けなくてよいですか?
会社と契約条件によります。残置物込みの価格か、別途処分費が必要かを必ず書面で確認してください。
まとめ
仲介と買取に絶対的な優劣はありません。高値を目指す時間と手間を取れるなら仲介、早さと確実性を重視するなら買取が基本です。複数社から両方の条件を取り、必要費用と売却までの維持費を差し引いた手残りで家族の優先順位に合う方法を選びましょう。


コメント